ジョン・ウェイン製作・監督・主演 『アラモ』 60年製作 公開
1961年に観た。
前宣伝はともかく、スケールが大きいだけの駄作、壮大愚劣な失敗作などと、世評は芳しくなかった。
ただ個人的には、ベストテンの次点にくるくらい気に入っていた。
西部劇開眼の後、製作段階のニュースから追っかけて、待ちかねて本編を観るといった体験は初めて。
その点のヒイキメはあったろう。
単純に、リチャード・ウイドマークのジム・ボウイーを観たい。
それにプラスしてついてきた娯楽映画の要素いっぱいに感動した。
今でも、そんなに悪くないと思っている。
まずディミトリ・ティオムキンの音楽だ。
メインテーマ「グリーン・リーヴズ・オブ・サマー」、
フランキー・アヴァロンの歌う「テネシー・ベイブ」、
マーティ・ロビンスの「アラモの歌」(これは劇中に出てこない)、
そして「皆殺しの歌」のトランペット。
活劇映画に添えられるロマンスと音楽。
それらを支えるスタッフ&キャストのチームプレイ。
その最良のものをジョン・ウェインは『リオ・ブラボー』の製作現場から学んで、そのまま引き継いだのだろう。
そんな気がする。
これが、アメリカの領土拡張・侵略帝国主義を正当化した独善的なイデオロギー映画だ、と判断するチエはまだついていなかったか。
まあ智恵はついても、フィルムの残像は色褪せない。そして決戦前夜に静かに流れる「グリーン・リーヴズ・オブ・サマー」のコーラスも。
The Alamo – The Green Leaves of Summer.mp3
この映画で、すっかりウイドマーク・ファンになった。
雑誌の切り抜き(『スクリーン』と『映画の友』)は、今でも残してある。