オットー・プレミンジャー『栄光への脱出』
封切りで観たはずだが。 あまり記憶に残らず。
というより、残したくなかったのか。
イスラエル建国神話の「栄光」をハリウッドが総力をあげて喧伝したイデオロギー映画。
などと、批判的に観るような鑑賞力の身についていない子供だった。
テーマ曲の多士済済ぶりにもコロリとまいった。
耳からもまた、きっちり「洗脳」されてしまった。
なかでも、パット・ブーンが浪浪と唄いあげた「アレ」が、まだ頭のスミにこびりついていて……。
「この国はオレのもの」
と、ウディ・ガスリーの「This Land is My Land」のヴァリエーションが他国の他領土に適用された、初期の用例ではないかね。
地球上どこの国だってオレサマ達の領土。「自由とデモクラシー」を宣教するためなら、何だってヤルぜ、と。
ちなみに、この映画のシナリオは、反体制派ハリウッド・テンの一人ダルトン・トランボだ!
『スパルタカス』とともに、彼の復帰後の仕事だ。
2016-08-14