キング・ヴィダー 『ソロモンとシバの女王』
1962年
1959年公開のリバイバルだったと思う。
これも70ミリ大型史劇。
巨大な機械力と革命的な映画技術を駆使して、想像に絶する壮大なスケールの大撮影を敢行し、大画面いっぱいに、驚くべく大激戦スペクタクルと、偉大な王と絶世の美女の官能の恋を描き出して見せる……
なる解説文句にも、映画黄金期からの翳りが色濃くにじんでいる。
テレビに奪われた観客を取りもどすための戦略のひとつが、絶対の大型化だったわけだ。
この作品の場合、大型過ぎて他がユルかった。
あるいは、主演のユル・ブリンナーが看板のスキンヘッドではなく、普通の毛生え頭で出てきたせいか。